Floating Hut

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建築場所:大津市 主用途:個人住宅 構造:RC2階建て  建築面積:78.43m2 延床面積:104.46m2  敷地面積:197.88m2

ただ共通するというだけに見えるルールに意味を与え、街区を更新する端緒を示す バブル期に開発された30年前の新興住宅地での建て替え計画。この地域はのどかな田園であったが、単一業者による宅地開発後、販売戦略の結果論として共通に持ち合わせた街区としての特徴である、マイホームの象徴たる勾配屋根、合理的な分譲区画を形成する外壁間距離、シンボルツリー、ひな壇造成による擁壁仕様が「共通する」という事由により守るべきルールとなった。自治会ではこの協定を守る意味がそもそも不明確であり煩雑な集会低減のため、2015年地区計画とし行政に放り投げることで法的な拘束力を持つこの地域の文脈となった。 本計画はこの地域で上記ルールが地区計画となって第一号の建て替え計画(申請時)である。その上で私たちの考えは、「ただ共通するというだけに見えるルールに私たちなりに意味を与え、街区を更新する端緒を示すこと」であった。具体的には、 ・マイホームの象徴たる勾配屋根 マイホームのアイコンとして以外意味を見いだしがたく、日照や隣地との関係、内部空間の構成等本計画における内外の考察にかなう合理的な形態としてドライに選択する。 ・隣家との外壁間距離 建てこんだ街区奥まで、風や光等を導く環境的連続が図れる空き寸法を再検討し、内部空間も積極的に外部に開くことができる、隣棟間隔を再設定する。 ・シンボルツリー 隣棟間隔により生まれる周囲の外部空間を隣家間で連続させ、意識的に共有関係を創り、敷地境界をほぐす。 ・ひな壇造成による擁壁 造成による高低差を利用し、フロアレベルの再設定を行うことで一斉販売時より1/3-1/2階分低層のボリュームによる構成が可能となる。 結果として、切り妻の風致形、内外を結ぶテラス、内部への日差しを調整する庇、アプローチやパーキングを生み出すキャノピー、それらが一つの屋根となして浮かびあがり、内外を調停する住まいのあり方となって結実した。 これからほぼ同時に建て替えが進むと考えられる同地域において、本計画において私たちが考えた意味が街区の更新に寄与すればという思い、言わば意味の素形となるような建築を目指した。